お正月がひと段落したころ、地域の広場や河川敷で大きな炎が夜空を照らす「どんど焼き」。
その炎のまわりで、枝に色とりどりの小さなお団子を刺して焼いている光景を見たことはありますよね!
その小さな団子こそが「まゆ玉」。昔から一年の健康や家内安全、豊作を祈る大切な縁起物として受け継がれてきました。
この記事では、
- どんど焼きとまゆ玉の意味・由来
- まゆ玉の飾り方や手作りレシピ
- 当日の楽しみ方とマナー、安全対策
- 子どもと一緒に楽しむためのポイント
などを、初めての方にも分かりやすくまとめています。読み終わるころには、「今年はまゆ玉を作ってみようかな」と思えるくらい、身近な行事に感じられるはずです。
まず結論|どんど焼きで焼く「まゆ玉」とは?

どんど焼きで焼かれる「まゆ玉」とは、
一年の健康・家内安全・商売繁盛・五穀豊穣などを祈りながら作り、どんど焼きの火で炙っていただく、小さな団子状の飾り兼おやつ
のことです。
一般的には米粉や上新粉・白玉粉などで作った生地を小さく丸め、それを柳やミズキなどの細い枝に刺して飾ります。
枝先にたくさんのまゆ玉が付いた姿は、まるで冬の木に花が咲いたように華やかで、お正月の名残と新しい一年の始まりを感じさせてくれます。
どんど焼きの炎で軽く炙ったまゆ玉をみんなで食べることで、
- 風邪をひかずに一年を健やかに過ごせる
- 勉強や仕事がうまくいく
- 田畑が豊作になる
など、さまざまなご利益があると信じられてきました。
単なる「お団子」ではなく、願いごとをぎゅっと詰め込んだ、食べられるお守りのような存在と言えます。
どんど焼きってどんな行事?地域による呼び名と背景

どんど焼きの意味と由来|どんな行事なのか?
どんど焼きは、お正月の飾りや書き初めを燃やし、年神様(としがみさま)をお見送りする日本の伝統行事です。
多くの地域では、小正月と呼ばれる1月15日前後に行われ、地域の神社や河川敷、田んぼの一角などに竹や藁で大きなやぐらを組み、そこに門松やしめ飾り、古いお札などをくくり付けて燃やします。
お正月に各家庭へやってきた年神様は、しめ縄や門松などの飾りを目印に家を訪れたと言われています。
どんど焼きは、その年神様を「ありがとう、また来年もお願いします」という気持ちを込めて、炎とともに空へお返しする儀式でもあります。
燃え上がる火にあたることで、
- 厄除けになる
- 無病息災で過ごせる
- 願いごとが天まで届く
と昔から信じられてきました。
特に子どもにとっては、冬の寒い空の下で大きな炎を囲む非日常感たっぷりのイベント。地域によってルールは異なりますが、
「書き初めを火にくべて高く舞い上がると字が上手くなる」など、その土地ならではの言い伝えが残っている場所もあります。
「左義長」「さいと焼き」…呼び名の違いと地域の特色
一口に「どんど焼き」と言っても、呼び名は地域によってさまざまです。
- 左義長(さぎちょう)
- さいと焼き(サイト焼き)
- おんべ焼き
- 鬼火焚き
- とんど焼き
など、地方ごとに個性的な名称が残っています。
たとえば、関西では「とんど焼き」や「左義長」という呼び名がよく使われ、九州の一部では「鬼火焚き」と呼ばれることも。名前が違っても、
- 正月飾りや書き初めを燃やす
- 大きな炎を囲んで一年の無事を祈る
- 焼いた餅やまゆ玉をいただく
という基本的なスタイルは共通しています。
地元の人にとっては子どものころから馴染みのある風景であり、「その土地の冬の風物詩」として受け継がれているのです。
地域によって異なる飾りやまゆ玉の風習とは?
どんど焼きに欠かせない飾りも、地域によって少しずつ違いがあります。
まゆ玉を飾る木は、
- 団子木(だんごぎ)
- 餅花(もちばな)
- 花餅(はなもち)
などと呼ばれることもあります。枝に白と紅のまゆ玉を交互に刺したり、紙で作った飾りや折り鶴を一緒にぶら下げたりする地域もあり、その土地ならではの工夫が光ります。
雪深い地域では、真っ白な一面の雪景色の中に、カラフルなまゆ玉を刺した枝が並ぶだけで一気に華やかな雰囲気に。
都会では室内に小さな団子木を飾って、お正月のインテリアとして楽しんでいるご家庭も増えています。
「うちの地域ではこんな飾り方をするよ」というローカルルールを知るのも、どんど焼きの面白さのひとつです。
まゆ玉とは?意味・由来・飾り方をやさしく解説
なぜ「繭」の形なの?意味と象徴を知ろう
「まゆ玉」という名前は、その名の通り「蚕の繭(まゆ)」の形に似ていることから付けられたと言われています。
蚕の繭は、一本の細い糸が何百メートルも重なってできています。そこから、
- 富や収穫が積み重なっていく
- 商売が繁盛していく
- 家族の幸せが続いていく
といった「豊かさ」「繁栄」の象徴とされてきました。
かつて養蚕が盛んだった地域では、蚕が無事育つことが生活に直結していたため、繭の形をしたまゆ玉は特に重要な縁起物。
今でも「仕事が安定しますように」「お金に困りませんように」といった願いを込めて飾る方も多く、形そのものに込められた意味を知ると、より大切に扱いたくなりますね。
まゆ玉を飾る意味と五穀豊穣・無病息災の願い
まゆ玉には、
- お米をはじめとする五穀が豊かに実りますように
- 一年を通して家族みんなが元気で過ごせますように
- 子どもがすくすく成長しますように
といった願いが込められています。
特に農村部では、まゆ玉は「今年の田畑がうまくいくかどうか」を占うような存在でもありました。
どんど焼きの火で焼いたまゆ玉をおいしく食べられれば、その年は病気をせずに暮らせると言われることも。
まゆ玉づくりとどんど焼きは、新しい年のスタートを家族で確認する儀式のような役割も担っているのです。
現代では、共働き家庭や核家族も多くなりましたが、「一年の始まりに家族で同じものを食べて健康を祈る」という行為は、とてもシンプルで続けやすい日本の風習と言えます。
団子木への飾り方や飾る場所のポイント
まゆ玉の基本的な飾り方はとてもシンプルです。
- 細めの枝(ミズキや柳など)を数本用意する
- 小さく丸めたまゆ玉を、枝先に刺していく
- バランスを見ながら、全体がふんわり丸くなるように配置する
ポイントは、枝にぎゅうぎゅうに刺しすぎないこと。
少し隙間をあけて刺すと、一つひとつのまゆ玉が引き立ち、全体のシルエットも美しく見えます。
飾る場所としては、
- 玄関先(人の出入りが多い場所)
- リビングの棚やカウンター
- 仏間や床の間
など「家族の目に入りやすい場所」がおすすめです。
毎日目にすることで、「今年も元気にがんばろう」と気持ちを新たにできますし、来客があったときのちょっとした話題づくりにもなります。
倒れやすい場合は、花瓶や重めの器に砂や小石を入れて枝を立てると安定します。
小さなお子さんやペットがいるご家庭では、手の届きにくい高さに飾るなどの工夫もしておきましょう。
まゆ玉を手作りしてみよう!準備から完成まで丁寧ガイド

必要な材料と基本の道具
まゆ玉づくりに必要な材料は、実はとても身近なものばかりです。
基本の材料
- 上新粉(または白玉粉)
- ぬるま湯
- 砂糖(少量。甘みをつけたい場合)
- 食紅や野菜パウダー(色付け用・お好みで)
あると便利な道具
- ボウルとゴムベラ
- 計量カップ・計量スプーン
- 蒸し器(もしくは鍋&蒸し板)
- 竹串、または飾り用の小枝
- まな板やトレイ(成形したまゆ玉を並べる用)
家庭にある道具で十分作れるので、「特別なキッチン用品がないとできない」ということはありません。
子どもと一緒に作る場合は、割れにくいボウルを使ったり、火や蒸気の扱いは必ず大人が行うなど、ちょっとした安全対策を意識しておくと安心です。
色づけの工夫と自然素材で映えるアレンジ
まゆ玉の魅力のひとつが、色とりどりの可愛い見た目です。定番の白・紅の組み合わせはもちろん、ちょっと工夫をするだけでグッと華やかさが増します。
自然素材での色付けアイデア
- ほうれん草パウダー…淡いグリーンで春らしい雰囲気に
- 紫芋パウダー…やさしい紫色で、和の上品さアップ
- かぼちゃパウダー…温かみのある黄色で明るい印象に
- 抹茶…香りも楽しめるシックなグリーン
着色料の代わりに野菜パウダーを使えば、小さなお子さんにも安心です。粉の一部を色付きの粉に置き換えるだけでOK。少しずつ加えて好みの色を探してみてください。
また、すべてを同じ色にするのではなく、
- 白:紅:緑を「3:2:1」の割合にする
- 大きさを少し変えてリズムをつける
といった工夫をすると、飾ったときに立体感が出て写真映えもよくなります。
作り方の手順をやさしく解説
初めてでも作りやすい、基本のまゆ玉の作り方をステップごとに紹介します。
- 粉とぬるま湯を混ぜる
ボウルに上新粉(または白玉粉)を入れ、少しずつぬるま湯を加えながらゴムベラで混ぜます。耳たぶくらいの柔らかさを目安にしましょう。 - 生地をよくこねる
粉っぽさがなくなってきたら、手でよくこねます。なめらかになってきたらOK。ここでしっかりこねると、仕上がりがもちっとします。 - 色をつける(お好みで)
生地をいくつかに分け、食紅や野菜パウダーを混ぜ込んで色をつけます。このとき、手袋をすると手に色がつきにくくなります。 - 好きな大きさに丸める
手に少し水をつけてから、小豆〜一口サイズ程度に丸めていきます。あまり大きすぎると枝に刺したとき重くなってしまうので、小さめがベターです。 - 蒸し器で蒸す
クッキングシートを敷いた蒸し器に、まゆ玉同士がくっつかないように並べ、10分ほど蒸します。透明感が出て、表面がつやっとしてきたら火を止めます。 - 粗熱をとって串に刺す
蒸し上がったら一度冷まし、触れるくらいになったら竹串や小枝に刺します。やわらかいうちのほうがスッと刺さります。
※成形するときは、手をぬらしたり、ほんの少量の油を手に塗ると生地がくっつきにくくなり、形が整えやすくなります。
蒸す前?蒸した後?成形タイミングのコツ
「まゆ玉って、蒸す前と蒸した後、どのタイミングで形を整えればいいの?」と迷う方も多いはず。
基本的には、
- 丸い形を作るのは蒸す前
- 細かな微調整は蒸した直後〜粗熱が取れるまで
がおすすめです。
生地が生の状態のときは、自由に形を作りやすい一方で、指の跡が残りやすい面もあります。
蒸した後のまゆ玉は少し弾力が出て、表面もなめらかになるので、「ちょっといびつだったかな?」という部分を優しくつまんで整えてあげると、よりきれいな仕上がりに。
ただし、完全に冷めてしまうと表面が固くなり、無理に形を変えようとするとひび割れの原因になることも。
扱いやすいタイミングを、一度作ってみて体感してみるのも楽しいですよ。
ツヤツヤに仕上がる「くるみ油」裏技テク
まゆ玉をより美しく見せたいときに試してほしいのが、「くるみ油」を使った仕上げテクニックです。
- まゆ玉が完全に冷めて表面が乾いた状態にする
- 清潔な刷毛やキッチンペーパーに、くるみ油をほんの少量とる
- まゆ玉の表面に薄く塗り広げる
これだけで、人工的なテカリとは違う、しっとりとした自然なツヤが出ます。くるみ油には、木製食器などの仕上げにも使われることがあるほど、素材をきれいに見せてくれる効果があります。
塗りすぎるとベタつきやすくなるので、「ちょっと物足りないかな?」くらいの量から試すのがコツです。
写真撮影をする予定がある方や、インテリアとしてしばらく飾りたい方に特におすすめの一手間です。
市販vs手作り|まゆ玉はどちらがベスト?
市販まゆ玉の特徴・メリット・購入場所
最近は、スーパーや和菓子店、道の駅などで、どんど焼きシーズンになると「まゆ玉」や「団子木」が並ぶ地域も増えてきました。市販のまゆ玉には次のような特徴があります。
- 一つひとつの形が揃っていて見た目が美しい
- 日持ちしやすいよう工夫されている
- 地域ごとの伝統的な色や形が反映されている
仕事や家事で忙しく、「ゼロから手作りする時間はないけれど、季節行事は楽しみたい」という方には、市販品はとても心強い味方。
特に雪深い地域や名産地では、その土地ならではの色や形をしたまゆ玉が販売されていることもあり、ちょっとしたお土産や贈り物としても喜ばれます。
ただし、地域限定販売の場合も多いため、「今年は買ってみたいな」というときは、事前に販売場所や予約方法を確認しておくと安心です。
手作りの魅力|親子で楽しめる行事体験
一方、時間に余裕があるときは、ぜひ手作りにもチャレンジしてみてほしいところです。手作りまゆ玉には、市販品にはない魅力がたくさんあります。
- 生地をこねたり丸めたりする過程そのものが楽しい
- 子どもと会話しながら行事の意味を伝えられる
- 好きな色や大きさでオリジナルのまゆ玉が作れる
「昔はこうやっておばあちゃんと作ったんだよ」
「この色は春のお花みたいだね」
といった会話をしながら作る時間は、何年たっても思い出として心に残ります。
自分たちで作ったまゆ玉をどんど焼きの火で炙り、ホカホカのうちに食べる瞬間は格別。行事そのものが、家族の大切なイベントになります。
時間がない方へ|「市販+飾りだけ手作り」のいいとこ取り法
「市販品も便利だけれど、少しは手作りの雰囲気も味わいたい…」という方におすすめなのが、
市販のまゆ玉を購入して、飾りや串だけを手作りする
という折衷スタイルです。
たとえば、
- 市販のまゆ玉を購入
- 子どもと一緒に小枝や竹串に刺していく
- 紙で作った小さな飾りやリボンを足してオリジナル感を出す
といった工夫をすれば、準備の手間を抑えながらも「自分たちで作った」という満足感も得られます。
忙しい年はこの方法にして、余裕のある年は粉から手作りにするなど、その時々のライフスタイルに合わせて柔軟に楽しめるのがポイントです。
どんど焼き当日の楽しみ方と気をつけたいこと

まゆ玉を焼くタイミングと食べ方のマナー
どんど焼き当日は、大きな炎が一気に燃え上がり、しばらくすると炎がおさまって炭火のような状態になっていきます。まゆ玉を焼くのにおすすめなのは、
- 炎が落ち着き、熾火(おきび)になったころ
です。
火柱が高く上がっているタイミングで無理に近づくと、火の粉が飛んできて危険なうえ、まゆ玉もすぐに焦げてしまいます。
主催者や地域の方が「そろそろ焼いていいよ」と合図を出してくれることも多いので、その指示に従いましょう。
また、食べ方のマナーとしては、
- 串に刺さったまま口に入れず、必ず一度はずしてから食べる
- 熱いので、子どもにはふーふーと冷ましてから渡す
- 食べきれない分を持ち帰るときは、清潔な容器や袋を用意しておく
といった点を押さえておくと安心です。
灰や火の粉が気になる?安全に楽しむためのポイント
どんど焼きは大きな火を扱う行事なので、安全面への配慮は欠かせません。特に小さな子ども連れの場合は、次のような点を意識しておきましょう。
- 風向きを確認し、火の粉や煙が流れてこない位置に立つ
- 子どもだけで火の近くに行かないよう、必ず大人が付き添う
- 足元が悪い場所では、走らない・押さないを事前に伝えておく
また、灰が舞いやすい日は、帽子やフード付きの上着を着ると髪に灰がつきにくくなります。
マスクをしておけば、煙のにおいが気になる方も少し楽に過ごせます。
会場によっては、火に近づける人数やタイミングを区切っている場合もあります。
ルールを守りながら参加することで、みんなが気持ちよく行事を楽しめます。
写真を撮るならいつがベスト?SNS映えの工夫
「せっかくなら、どんど焼きとまゆ玉の写真をきれいに残したい」という方も多いのではないでしょうか。写真撮影のベストタイミングは、
- 日中〜夕方の、まだ少し明るさが残っている時間帯
- 炎が落ち着き、赤い熾火とまゆ玉が同時に写せる瞬間
あたりです。
まだ空が明るい時間なら、まゆ玉の色味や表情までしっかり写りますし、夕方なら炎の赤色とのコントラストがとてもきれいです。
まゆ玉を串に刺して手に持ち、家族で火を囲んでいる様子を横から撮ると、臨場感のある一枚になります。
SNS映えを狙うなら、
- まゆ玉のアップ写真を撮る
- 炎を背景にシルエット風に撮る
- 団子木を室内に飾った様子も併せて投稿する
といった撮り方もおすすめです。
地域イベントとしての魅力と参加で得られるつながり
どんど焼きは、単に「正月飾りを燃やすだけ」の行事ではありません。近所の人たちと自然に顔を合わせ、会話が生まれる貴重な機会でもあります。
- 普段はあいさつ程度のご近所さんと、火を囲みながらゆっくり話せる
- 子ども同士が一緒にまゆ玉を焼きながら仲良くなれる
- 地域の高齢者から、昔のどんど焼きの様子を聞ける
など、世代を超えた交流が生まれやすい場でもあります。
最近は地域コミュニティが希薄になりがちですが、「年に一度ここに来れば顔を合わせられる」という安心感は、いざというときの助け合いにもつながります。
まゆ玉づくりをきっかけに、ぜひ地域の行事にも積極的に参加してみましょう。
どんど焼き前に準備しておきたい持ち物と服装
焚き火の火の粉・煙対策|おすすめの服装とは?
どんど焼き会場は、真冬の屋外+大きな火+煙と、なかなかハードな環境です。服装選びのポイントを押さえておくと、当日をより快適に過ごせます。
おすすめの素材・スタイル
- 綿やウールなど、燃えにくい素材のアウター
- ダウンジャケットなど、火の粉が当たっても穴が目立ちにくいもの
- 長ズボンで肌の露出を少なくする
逆に、
- 化学繊維100%の薄手コート
- ひらひらしたスカートやストール
- ロングマフラーやフードの紐
などは、火の粉が当たると焦げやすかったり、風であおられやすいので注意が必要です。
ベンチコートや厚手のパーカーなど、動きやすさと防寒を両立できる服装だと安心ですね。
子連れで行くならコレを持っていこう【チェックリスト付き】
子どもと一緒にどんど焼きに参加する場合は、ちょっとした持ち物の工夫で快適さが大きく変わります。以下を目安に準備してみてください。
あると便利な持ち物
- ウェットティッシュ(手や口を拭く用)
- 軍手や耐熱手袋(串が熱くなったときに便利)
- 火ばさみ(地域によっては用意されている場合もあります)
- 小さめの折りたたみ椅子やレジャーシート
- 焼いたまゆ玉やお餅をのせる紙皿・トレー
- ゴミ袋(出たゴミを持ち帰るため)
特にレジャーシートや椅子があれば、火から少し離れた場所で休憩しながら見学できます。
小さなお子さんは待ち時間に飽きやすいので、シートの上で軽く遊べるおもちゃや絵本などがあるとさらに安心です。
寒さ・汚れ・においの3大対策!
どんど焼きで困りがちなのが、
- 冬の冷え込み
- 服や靴の汚れ
- 煙や焚き火のにおい
の3つです。
寒さ対策
- カイロをポケットや腰まわりに貼る
- マフラー・手袋・帽子で首・手首・足首をしっかり保温
- 厚手の靴下&冷えにくい靴を選ぶ
汚れ対策
- 汚れてもよい服や靴を選ぶ
- 子どもには、膝下まで隠れるアウターだと安心
におい対策
- マスクやネックウォーマーで煙の吸い込みを軽減
- 帰宅後すぐに着替えられるよう、着替え一式を準備
「においが気になるから」と出かけるのをためらってしまう方もいますが、事前に“どんど焼き用の服”を決めておくと気軽に参加しやすくなります。
知っておくと楽しい!まゆ玉&どんど焼き豆知識
まゆ玉とお団子の違いって?呼び名と素材を比べてみた
見た目は「小さなお団子」にそっくりなまゆ玉ですが、地域によっては材料や呼び名が少しずつ違います。
主な違いの例
- 原料が米粉中心の地域もあれば、小麦粉を使う地域もある
- 「まゆ玉」「繭玉」「団子花」「餅花」など呼び名がさまざま
- 食べることを前提に作る場合と、飾り専用として作る場合がある
たとえば、普段食べる「みたらし団子」はタレを絡めて味を楽しむおやつですが、まゆ玉は「願いを込めて作り、縁起を担いで食べる」という意味合いが強い点が大きな違いと言えます。
地域の年配の方に「この辺りではどんなふうに呼んでいたんですか?」と聞いてみると、昔ながらの呼び名や思い出話が聞けるかもしれません。
なぜどんど焼きでまゆ玉を焼くと健康に?
「どんど焼きの火で焼いたものを食べると、一年中風邪をひかない」と聞いたことがある方も多いでしょう。これには、昔の人の素朴な願いと、火への信仰心が関係しています。
火は、
- 汚れを焼き尽くす力
- 災いを遠ざける力
があると考えられてきました。神様をお送りする清らかな火でまゆ玉を焼き、その火の恵みを体に取り入れることで、「悪いものから守ってもらえる」と信じられていたのです。
もちろん、実際に病気を完全に防げるわけではありませんが、「今年も健康で過ごせますように」とみんなで同じ願いを込めること自体が、心身の支えになります。
家族で同じまゆ玉を分け合って食べることで、「一緒に一年を乗り越えようね」という気持ちを共有できるのも素敵なポイントです。
昔はどんな願いが込められていたの?
昔の人たちは、今よりも自然の影響を強く受けながら暮らしていました。そのため、まゆ玉やどんど焼きには、さまざまな願いが託されてきました。
- 五穀豊穣(米・麦・豆などが豊かに実ること)
- 子どもの健やかな成長
- 家族の無事・安全
- 商売繁盛や仕事運の上昇
まゆ玉一つひとつが「小さなお守り」のような存在であり、家族の数だけ願いが込められていたとも言えます。
現代の私たちも、「受験がうまくいきますように」「家族が笑顔で過ごせますように」など、自分なりの願いをそっと重ねて飾ってみると、より一層まゆ玉が愛おしく感じられるはずです。
よくある質問|まゆ玉・どんど焼きQ&A
Q. まゆ玉はいつ作ればいいの?
→ 前日〜当日の午前中に作るのがおすすめです。
できたての柔らかさを楽しみたい場合は当日朝に、忙しい場合は前日にまとめて作っておきましょう。
冷ましてからラップに包み、冷蔵庫で保存すれば、翌日でもおいしくいただけます。
ただし、あまり早く作りすぎると乾燥してひびが入ったり、風味が落ちてしまうこともあるので、作ってから1〜2日以内に食べきる前提でスケジュールを立てると安心です。
Q. どこで売ってるの?
→ まゆ玉や団子木は、地域によっては以下のような場所で販売されることがあります。
- スーパーの季節コーナー
- 和菓子店・餅屋
- 道の駅や産直市場
- 神社の授与所や地元商店
どんど焼きが近づくとチラシや回覧板で案内が出る地域も多いので、見かけたらチェックしてみましょう。心配な場合は、事前に電話で問い合わせてみると確実です。
Q. アレルギーがある子にも大丈夫?
→ 小麦や米にアレルギーがある場合は、市販品をそのまま食べさせるのは不安ですよね。その場合は、
- アレルゲンを含まない粉(米粉/小麦粉不使用のミックス粉など)を選ぶ
- 食べる用と飾り用を分け、飾り用には触るだけにする
といった工夫をしましょう。
どうしても食べるのが難しい場合は、「みんなと一緒に飾って楽しむ」「火のあたたかさを感じる」といった体験だけでも十分貴重です。
事前に主治医と相談したり、原材料表示をしっかり確認するなど、無理のない範囲で参加してください。
まとめ|まゆ玉づくりとどんど焼きで、季節行事をもっと楽しく
まゆ玉づくりとどんど焼きは、
- 一年の健康や豊作を祈る
- 家族で同じ時間を共有する
- 地域の人たちとつながる
ことができる、日本ならではの温かい季節行事です。
手作りでも市販でも、ほんの少し準備をするだけで、お正月の締めくくりがぐっと豊かなものになります。
忙しい日々のなかで、まゆ玉を枝に刺したり、火を囲んでゆっくり会話をしたりする時間は、心をふっと緩めてくれるはずです。
今年はぜひ、まゆ玉を通してどんど焼きを味わってみませんか?
家族や友人、地域の人たちと炎を囲みながら、「いい一年になりますように」と願う時間が、きっと素敵な思い出になるはずです。
