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風邪の感染についての一般的な誤解と意外な真実

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新型コロナウイルスの影響が徐々に薄れ、新聞での感染者数の報告も見られなくなりました。

それでも、多くの人が公共の場でマスクをする光景はまだよく見かけます。

本記事では、「風邪がうつる」という表現の正しい漢字表記について詳しくご紹介します。

また、「感染る」や「伝染る」といった一般的な表記が正しいかどうかも検証します。

ぜひ最後までお読みください。

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風邪がうつるとはどう表記するのか

まず、多くの人が誤解していることからお話しします。

  • 風邪がうつる

「えっ、本当に?」と思われるかもしれません。一般的には「移る」と考えがちですが、実は違います。

実際に「風邪がうつる」を正確に表記するときは、「感染る」や「伝染る」、「移る」を使わず、ひらがなで「風邪がうつる」と書くのが適切です。

病気の感染も同様に、「病気がうつる」とひらがなで表記します。

これに疑問を持つ方もいるでしょうが、各表記の背後にある理由についてこれから詳しく説明します。

それでは、次に「感染る」や「伝染る」といった表記の正確性について見ていきましょう。

感染る・伝染るは正しい表記か?
実は、「感染る」と「伝染る」は俗に使われる表現で、公式な文書では使用されることはありません。

それぞれの表記がなぜ不適切なのか、以下で詳しく解説します。

風邪の感染表現について

「風邪がうつる」という表現について、複数の辞書でどのように記述されているかを調べ、その結果をまとめました。

  • 広辞苑 移る・遷る 他人への病気感染を示す。
  • 大辞林 移る 他人に病気が感染すること。
  • 大辞泉 移る・△遷る 病気などの影響が他に及ぶこと。
  • 日本国語大辞典 移る・遷る 病気の感染や火事の延焼など、ある状態が他に伝播する。
  • 学研国語大辞典 移る 病気が他に伝染する状態。
    《参考》「かぜがうつる」は通常、ひらがなで表記されることが一般的です。
  • 明鏡国語大辞典 移る(▽遷る) 主に不良な影響が他に移ること。
    一般的に「感染る」とも表されることがありますが、平仮名で書くのが普通です。
    漢字での表記はバリエーションがあり、大辞林と学研国語大辞典以外では、「移る」「遷る」が頻出しています。

大辞林と明鏡国語大辞典には「遷る」に非常用漢字のマークが付されていることを示しています。

風邪の感染に関する表記について

日本国語大辞典には「火事が他に広がる」という表現が含まれており、明鏡国語大辞典では「霊的な存在が移り変わる」と説明されています。

特に注目すべき「風邪がうつる」については、一覧で強調して示しました。

学研国語大辞典によると、「かぜがうつる」は一般的にひらがなで表記されることが多いです。

さらに、明鏡国語辞典では「病気に関する表記は『感染る』ともされるが、通常はひらがなで書かれる」と補足されています。

また、「毎日新聞 校閲センター」の「毎日ことばPlus」サイトによれば、公式文書において病気が感染する場合の表記は仮名書きが一般的だとされています。

興味深い点として、通常はあまり参照されない学研古語辞典にも「うつる(移る)」の項目が存在しましたが、その中で「病気が感染する」という意味は含まれず、「物の怪が移る」という意味が見られました。

感染る・伝染るについて

これらの漢字は実際には当て字であり、元々の漢字の意味を借りて使用されています。

例えば、「夜露死苦(よろしく)」のような表現が知られていますが、これも暴走族によって使われた当て字の一例です。

当て字が一定の認知を得て、日本語として定着する例もありますが、「真面目(まじめ)」がその一つです。

「伝染る」「感染る」は、現時点で広く受け入れられているわけではありませんが、例外的に吉田戦車の漫画「伝染るんです。」で使用されています。

次に、風邪にかかる場合の漢字表記についても検討していきます。

風邪にかかるという表現の漢字について

「風邪がうつる」という表現の漢字表記を見た後、次は「風邪にかかる」という表現の漢字に焦点を当ててみましょう。

風邪に罹る

「罹る」という漢字は、「網にかかる」という意味を持ち、例えば「罹災(リサイ)」のような用例があります。

各辞書での説明は以下の通りです。

  • 広辞苑 災厄や罪科が個人に影響を与える。病気の場合は「罹る」と表記。
  • 大辞林 病気にかかること。〔「掛かる」と同根〕
  • 大辞泉 病気や災難などを身に受ける。また「罹る」とも書く。
  • 日本国語大辞典 望ましくない状況が個人に及ぶ。病気、災害、刑罰、迷惑など。
  • 明鏡国語大辞典 罹る。病気や災難などの悪影響を受ける。特に、病気になること。

日本国語大辞典を除く他の辞書で「罹る」という表記が用いられています。

他にも、「風邪に感染する」という表現がありますが、それ以外の多くの表現は一般的ではありません。

学研古語辞典で「かかる」を調べたところ、「罹る」という表記は見つかりませんでしたが、「災難に遭う」という意味が記載されていました。

「うつる」の漢字の使い分け

「うつる」という言葉に関連する漢字の使い分けは次のようになります。

  • 移る(遷る):場所や状態の変化を指す。
  • 映る:画像や影が投影される、または印象が映し出される。
  • 写る:画像が写される、または透明な物越しに見える。

まとめ

本記事では、「風邪がうつる」、「コロナがうつる」、「インフルエンザがうつる」といった表現の正しい漢字表記を探求しました。

驚くかもしれませんが、これらの表現は一般的に平仮名で「うつる」と記されるのが基本です。漢字で「移る」と表記することもありますが、公式文書では推奨されていません。

また、「感染る」「伝染る」という表記も見られますが、これらは当て字であり、広く認められているわけではないため、正しい表記とは言えません。

日本語の表記は多様で、どの漢字を使用するか選ぶ際に迷うことがよくあります。

近頃、「ある言葉を漢字でどう書くか?」に関する記事が増えていることにも注目です。